サイパン島と交流電源 Saipanの怪

出張でサイパン

昔々あるところに・・・・じゃなくて以前に勤めていた会社の時代の話
海外オフイスがサイパン島にあり、当時は大型ディスコを経営していた

saipan_image.jpg
いまどきのクラブではなくディスコティックの時代です
どうもクラブという言い方にはいまだに抵抗があります
銀座・赤坂の座っただけで5万円の店のイメージが強い

サイパン島は森高千里の曲でも歌われたマリアナ諸島の島
バブルの頃は日本人観光客がたくさん来てすごかったらしい

しかしバブル崩壊後の1990年以降は観光客が激減していた
他の方法で人を呼べないかと3代目おぼっちゃま社長が考えて
フィリピンバンドを使ったライブステージを設営することに決めた

同じ飛行時間(3時間半)で行けるグアム島は開発がある程度進んでいた
観光施設の乏しいサイパンに(2代目大社長が)目をつけたのはよかった
しかしバブルが崩壊した後は本当に何もない島になってしまった

同じくらいの時間で行けるなら遊ぶ施設が少ないサイパン島よりも
少しは遊ぶところがあるグアムに人気が行ってしまうのは仕方ない
しかもサイパン行きの航空便は年々ますます少なくなっている

「今じゃ1日1便だっけ?」 ore3

来る客自体が少ない島にライブステージを作ったところで客が呼べるか?

また年配の人にとってはサイパン島は戦争で日本軍が玉砕したイメージが強い
リゾート開発の候補地としては運営的には意見が分かれる選択だったと思う

サイパン島の印象はそれくらいだがある日突然仕事で行くことになった
そんな初めてのサイパン出張の時に何となく不思議に感じたことがある

サイパン島の周囲を車で回っていると山の頂上に向かって一直線に続く道がある
海岸線から山までが近いので急な斜面になっているんだろうか?
仕事なので行く暇がなかったけど反対側はどうなっているんだろう?
反対側も斜面になっているならあの頂上付近で絶対に車が引っかかりそうだな

saipan_mountain1.jpg

「いつかまた行くことがあったらこれだけは確認したい」

ないだろうけど・・

 

ライブステージを設置する

さて仕事でライブステージの設営の時のことだった
音響担当を一人同行させたから「俺やることね~な超楽じゃん」と
楽勝モードでいたところ想定外の問題が起きた

JBLの巨大なスピーカーやアンプ類にドラムセットからのマイクや
ラインをケーブルで48トラックのミキサーにつなぎ終えて
やれやれというときにエンジニアが青い顔して走りよってきた

すべての電源を入れた状態ですべてのボリュームをゼロにしても「ぶ~ん」という
大きなノイズが出てくると言うことだった

持ってきた機材やケーブル類は全部日本で確認してきたはず
また何時間もかけてケーブルや機材のチェックが始まった
明日の午後便で日本に戻らないといけない

楽勝モードは焦りに変わってきた

サイパンのコンセント(日本と同じ形)から取れる電圧は120V/60Hz
日本の電圧(100V/50~60Hz)より少し高くなっている

一般家電の使用ではほとんど許容範囲だし、持ってきた機材は
AC100~240 V対応の機種だけ。機材による電圧が問題だとは思えない

だけどこの「ぶ~ん」は間違いなくノイズが回り込んでいて発生しているものだ
エレキギターのシールドをアンプにつないで反対側をギターにつながないで手で
持ったりするとぶ~んと音が出るのと同じ

 

ここで電気の基本を少し

家庭に無くてはならないコンセントは、実はプラスとマイナスがある
と言うと正確な表現ではないし誤解されるのでもう少し詳しく言うと
コンセントにはホット側とアース(グランド)側がある

専用の計測器でチェックしてみるとすぐに分かる
一般的にはコンセントの口が小さい側はホットで電気がきてる
大きい側はアース側で触っても感電しない(例外もある)

hot_cold.jpg
画像では右側がホットでライトが点灯しています

基本的にホット側は確認するだけで特に問題がない場合が多い
ノイズの回り込みは主にアース(グランド)側に起きる問題だ

ところで

グランドとは0V(ゼロボルト)で地面のことだが誰が地面を0Vと決めたんだ?
実際にアナログの音響機器を扱っているとアースがゼロボルトではないケースが多い

そもそも電圧というのはある場所とある場所の電気の位置の差でしかない
仮にこの瞬間のアースがゼロボルトとしたら別の地点と2点間の差を表している

0ボルトも100ボルトも1万ボルトもそれぞれが単体であるわけではない
このあたりは陰陽、昼と夜や漢方の考えに似ているかも知れない(koko参照

「どちらか一方だけでは差がないため両方とも存在しないのね」

 

電位差が原因

乾燥した時期に誰かと手が触れ合って起こる静電気も同じ
相手と自分に電位差があるからビビッと感じる(感電する)

「今日のお前は10ボルト」とか曲を作っても面白いな

♪ 火花を散らすぅ~ 二人はノイズぅ~ ♪
♪ これは電位差ぁ~ 地表のノイズぅ~ ♪
♪ そうさ二人はしびれるナイトぉ~ ♪
♪ 電位差ぁ~ 電位差ぁ~ ふたりはビビッド でんいなのさぁ~ ♪

まあ売れないだろうけど・・・・・

このぶ~んの正体はやはり電位差ノイズだった
この問題は帰国する前日の夜遅くに(なんとか)解決した
というよりノイズは許容範囲に目立たなくすることができた

大きなアンプを複数台使ってステージサイドとモニター側に分けていた
それぞれを同じ配電盤から取るにはちょっと無理があったため
同じフロアのDJブース側からも電源を取っていた

同じフロア内でノイズが発生するほど電位差があるなんて
日本のライブハウスやコンサートホールではまず考えられない
しかしここサイパンではDJブース側とステージ側では
5ボルトとか10ボルトとか(計ってないけど)電位差があった

だからすべての機器の極性をそろえてボリュームつまみをゼロにしても
電位差の分だけが常に音として出力されていた(浮遊霊のようだな)

結局アンプはむりやり同じ電源側から取り、それ以外の機器は
DJブース側から取ることで極端なノイズは下がった
これで大音量でフィリピンバンドが演奏すればノイズは聞こえないはず

結局一度もビーチにもプールにも近寄らずやれやれで帰国したが
飛行機の窓から見えるサイパンの海はどこまでも青かった

 

更に昔の話

昔アメリカ本土でバンドのギターとしてどさ回りをしていた事があった
その時に同行のミキサーのエンジニアが良くやっていたおまじないがある

日本でも増えたけど3つ穴のコンセント(所謂アース端子付コンセント)の場合
下の画像のグリーンの部分に差し込むでっぱりをへし折って使うことが多かった

120v.png

アメリカの特に田舎のライブハウスはグランドラインなんて取れていないに等しい
また基本的なホットとコールドを気にしないで裏側で配線してることも多かった
だからノイズが出たら機器側のコンセントジャックのアースの出っ張りを切り落とすか
2穴のアダプターに変換してつなぎなおすとノイズは消えた

電気というのはプラスとマイナスがあるように相対的なもの
考えてみれば音楽も本来はそういうものだ

演奏する人がいて聞く人がいてはじめて成立する
相手がいてこそなんぼの世界だな~と思う今日この頃

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