ウブドから南方向。スカワティーに向かう道沿いに木彫り工芸の村がある
小さなみやげ物から大きな家具類まで、多くの職人たちが
自慢の技を競い合って店先や工房に並べている
アジアン家具は興味があったので奥様と見に行くことにした
このマス村でのある出来事が後にバイクでバリ島や台湾を
走り倒すきっかけになった
マス村には木工の工房や店が道沿いに点在している
木像やマスク、また雑貨や食器棚、ベッドなどまで
およそ木で作れるあらゆる物がこの村で作られている
知らないというのは本当に恐ろしいこともある
最初のバリ旅行は南国の灼熱の6月
二人で延々と続くマス村の道を歩きながら工房や店を見て回った
南国特有の刺すような強い日差しで汗がほとばしるように出る
道沿いに人影はなく、たまにバイクや車が通過していった
何十分か歩き回ると後ろを歩いていた奥様の様子がおかしい
よろよろとしてとある工房内で倒れかけた
熱中症だ!
歩いていて急に目の前が真っ暗になったらしい
あわてて休憩を取ってとりあえずウブド村に戻ることにした
マス村のこの道は当時タクシーなど全く走っていなかった
近辺にワルン(食堂)などは見当たらずしかもインドネシアルピアを
ほとんど持っていなかったので日本円を両替するため銀行を探さないといけない
それからまたしばらく歩いて道沿いにやっと銀行を見つけた
中に入ると客はゼロ
ウブドの街中ならともかく、こんな場所で日本円を両替する事が
よほど珍しいのかどうかわからないがなんだかんだ20分くらい待たされた
冷房の効いた室内なので奥様の状態も安定してきて都合はよかった
いいところのお嬢様風銀行員2人が
「今日はすげ~仕事した」的なドヤ顔 () をして
インドネシアルピアを持ってきてくれた
きっとその夜は友達集めて話題にしてたんじゃないかな
お嬢様銀行員: 「今日さ~日本人が銀行にいきなりきてさ~」
お友達: 「へ~~珍しいじゃん!」
お嬢様銀行員: 「んでさ~日本円の札を両替したんだよね~~」
お友達: 「お~~すごい仕事してるじゃんw~
」
きっとこんな感じだったと思う
普段は何の仕事してんだろ・・ ああ、銀行員だったねw
なんとか現金をゲットしたので教えてもらったベモ
(乗り合いワゴン)の停まる所を目指して歩き出した
ベモ専用の停留所なんてない
走っているのを見かけたら合図して停めればいい
しかしなかなか走ってこない
困ったな~と思っていたら道端に野菜を抱えたおばさんが立っていた
なんとなくベモを待ってる様子だ。通じるかわかんないけど英語で聞いてみる
俺: 「ここってベモ来ます?」
おばさん:「ああここで待ってればもうすぐくるよ」
俺: 「そのベモはパサール(市場)方向に行きますか?」
おばさん:「ああ行ってくれるよ」
流暢な英語にびっくりした。人は見かけではない
それから数分後
色あせたベモがトコトコと走って来たので奥様とえっこらさと乗り込んだ
これで何とかウブドまで戻れる
ベモは降りたいところで「ストパ!」といえば停まってくれる
ローカルの人たちの重要な交通手段だ
ウブドの中心まで10000Rpくらいだった
真夏の南国の田舎道では水分補給もしないて歩いていたら誰でも倒れる
ロスメンに戻って従業員のスクーターを借してもらい翌日からは奥様乗せて
毎日スクーターで走りまくることにした
小さかろうがなんだろうがバイクさえあればこっちのもんだぜ
これで行動範囲は二本足の100倍以上は広がった感じだ
木陰で座り込んでる男どもが多すぎると思っていたけれど暑いさなかに
誰も歩いていないのはちゃんとした理由があるんだということを
バリ島のマス村で学習した
まあこのときは国際免許持ってなかったんだが・・・